皆さんは、こういうものが売っているのを見たことがあるでしょうか。
これは「トラバサミ」と言います。
トラバサミは、動物を捕獲する罠です。最近は、野外にいるネコを狙って仕掛ける例が出ているのです。
今回は「トラバサミ」と、それにまつわる問題についてお話していきます。
トラバサミとは?
「トラバサミ」は狩猟用の罠のひとつで、真ん中の板を踏むとバネの仕掛けが作動し、金属板が勢いよく合わさって脚を強く挟み込むものです。
特徴として、罠にかかった獲物に対して長時間痛みを与える上に、金属板で挟む際の衝撃で獲物に怪我を負わせてしまいます。
「錯誤捕獲」(狙った獲物と違う動物が罠にかかってしまうこと)が起こってしまった際、間違ってかかってしまった動物が怪我のせいで生きていけなくなってしまうのです。
現在の鳥獣保護法では、狩猟でのトラバサミの使用は禁止となっております。
ただし、鋸歯の無いゴム付のものは、有害鳥獣駆除目的かつ行政の許可を得て、標識(ここに仕掛けています的なもの)を付けた場合のみ仕掛けることができます。
そして、鋸歯の無いゴム付のとらばさみの販売には何の規制もありません。つまり、売っているのは合法なんですね。
トラバサミの仕掛けの問題
まず、仕掛けが作動した際の挟み込む衝撃がとても強いということです。
鋸歯なんて付いていたら、脚の切断もありえます。
たとえ鋸歯が無く、ゴムの衝撃緩和クッションが付いていたとしても、挟み込む際の衝撃を全て吸収するなんてことは出来ません。
そして、子どもが踏んでも作動してしまうということです。
もし子どもが金属の強力なバネの力で脚を挟まれてしまったら、自力で脱出できると思いますか?
こんな罠が自分の家の近所に仕掛けられていたら、恐ろしいですよね。
僕が売っているのを見たトラバサミも、子どもとか犬猫が罠にかかって、足を挟まれてしまうサイズに見えました。
猫を狙ったトラバサミ
問題なのは、ネコを狙ってトラバサミを仕掛ける人がいることです。
お庭を荒らしたりするネコに対して、ガーデニングなどをしたりしていてお庭を大切にしている方が怒りの感情を抱くのは理解できます。
ですが、ネコたちには悪意は無いのです。
特に、強い苦痛を与え続けた上に、衰弱死を狙っているところは倫理的に良くないと思います。
そもそも、ネコを捕獲対象にトラバサミを設置することは出来ません。
もし、害獣として捕獲する場合でも、
・使用する罠は箱罠にする。
・できうる限り痛みの少ない処分の手法をとる。
などの倫理感を持つことが大切だと思います。
トラバサミにかかわる法律
まず、ゴムの衝撃防止が付いたトラバサミは、販売・購入に規制はありません。
しかし、無許可で購入したトラバサミを使用した場合は、鳥獣保護法違反となります。
そして、誰かの飼い犬や飼い猫・ノネコがかかってしまった場合は、鳥獣保護法違反、動物虐待罪、器物損壊罪、動物愛護管理法違反となります。
しかし、許可も必要なくトラバサミを仕掛けることが可能なケースもあります。
農家などの事業者が、自分の事業のために「ネズミ」・「モグラ」を捕獲するために仕掛ける場合です。
この場合は、農地だけでなく自宅の庭にも設置が可能となります。
ですが、あくまでもネズミやモグラが捕獲の対象です。猫がかかってしまうようなサイズのトラバサミは違法になるケースが多いです。
おまけ
とらばさみとは話が別ですが、新聞の広告で「獣害対策用エアガン」っていうものを見つけました。
広告に小さく「生きものに向けて撃ってはいけません」って書いてあって意味不明だったな。
動物に撃って追い払うように使えますって感じで広告で宣伝してるじゃん。
動物愛護の団体と揉めないように予防線張っていたのかな?
色々な人の立場が有るから複雑ですね。
おわりに
今回は、個人的な意見を述べてしまったので、皆さんにとって有益では無かったかもです。
ですが、こういうことがあるということを知っているだけでも世の中を見る視野が広がったりすると思います!
人と生きものの関係について考える、きっかけになればうれしいです!
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