春に堤防を黄色く染めている、風物詩の「菜の花」。
キレイではありますが、菜の花は堤防が決壊する原因になってしまう可能性もあるのです。
なぜ「菜の花」が堤防決壊の原因になるのかを解説していきます。
菜の花について
菜の花は、アブラナ科アブラナ属の花の総称。特にアブラナまたはセイヨウアブラナの別名としても用いられる。また、菜花は、ナタネ、カブ、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、カラシナ、ザーサイなどアブラナ科アブラナ属で主として花を食するものをいう。(出典:Wikipedia)
春に堤防を黄色く彩っているきれいな花が菜の花です。
主にアブラナやセイヨウアブラナのことを言いますが、セイヨウカラシナというそっくりの植物も存在します。
セイヨウナブラナは、西洋と名前につくだけに外来種です。
菜の花は耐寒性一年もしくは二年草です。
ですが、種子の散布量が多いために、同じ場所に毎年生えるので多年草と勘違いしがちです。
なぜ堤防の決壊の原因に?
アブラナの根
菜の花は耐寒性一年もしくは二年草です。
つまり、菜の花は大きく成長して、1年ほどで枯れて腐る植物なのです。
菜の花と同じアブラナ科には、ダイコンやカブなどの仲間が含まれていて、セイヨウアブラナも根がかなり太くなります。
根は太くなる植物が1~2年で枯れて腐ったら、根があった部分に穴が開きますよね?
想像してみてください、咲き誇る菜の花の分だけ堤防に穴が開くということを…。
菜の花の根が原因で堤防が穴だらけになってしまい、そこから水が入り込んで決壊の原因となるのです。
菜の花から始まる食物連鎖
菜の花の根が腐るのを始点として、堤防に穴を開ける食物連鎖ができてしまうのです。
その食物連鎖は、以下のようになります。
菜の花の根から始まり、どんどん穴が大きく広げられてしまう仕組みになっていますね。
そういった食物連鎖が起こるのは悪いことではありません。
しかし、堤防にモグラやキツネが作るような大きさの穴が存在するのは、大変危険なことですよね。
どう対策すれば良いのか
国土交通省の対策
国土交通省は本格的に菜の花対策を始めています。
堤防の菜の花の刈り取り実験を行い、刈り取りの回数を増やしているそうです。
また、刈り取った菜の花をあえて集草せず放置しています。
地面に日光や酸素が届きにくくすることで、菜の花の繁茂を防ぐ試みが行われてるのです。
そして、菜の花が生えづらいように改良された芝生へと植え替えることで、堤防からの根絶を目指しています。
春の風物詩?それとも厄介者? 利根川堤防の「菜の花」(朝日新聞DIGITAL)
民間レベルでの対策
堤防に繁茂している菜の花は、人為的に種子を散布されている例も存在します。
そういった例は、春の風物詩である菜の花(セイヨウアブラナ)で景観を良くしようと考える個人によって行われていることが多いですね。

もはや、一種のテロ行為だよね~。
園芸種であろうと、外来種を散布するのは良くないですし、菜の花のような問題を起こしてしまうこともあります。
基礎的な知識の普及・啓発が必要ですね。
個人レベルでは、そういった種子を散布するような人に注意したり、こっそり菜の花を抜き取るぐらいしか対応しようがないのが現実です。
まとめ
- 菜の花の根によって、堤防が穴だらけになる。
- 菜の花の腐った根を食べる動物が、堤防を空洞化させる。
- 空洞化した堤防は決壊しやすいため危険。
- 国土交通省はすでに菜の花対策を行っている。

自分の家の前の堤防が菜の花だらけの場合は注意です。

種子を散布したりする人が減ると良いですね。

セイヨウアブラナは外来種だし、個人的には抜き取りを推奨します!

皆さん、堤防を大切にしましょうね。
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